自分の選んだ道は、正解にできる【霧島のローカルヒーロー第5弾】

今回紹介するのは立山正嗣(たてやままさつぐ)さん

出身:鹿児島県霧島市横川町

お仕事:現在は造園師として働きながら農業も行い、草払い、雨どいの掃除、蜂の駆除など、

地域のさまざまな困りごとに対応している。

「ありがとう」が一番嬉しい仕事

「お願いされて、きれいになって、“ありがとう”って言ってもらえる。それが一番嬉しいですね」

立山さんはそう話します。

会社員として働いていた頃は、目の前の仕事をこなす日々でした。
今の仕事も、特別に大きな決断をしたというより、
「できることを一つずつ選んできた結果」だといいます。

その積み重ねが、今の働き方につながっています。

最初から決めていた人生ではなかった

若い頃は京都の大学に進学し、そのまま京都で働いていました。

もともと地元に戻る予定はなかったといいます。
しかし父親の体調が悪くなり、「帰ってこい」と言われて霧島へ戻ることになりました。

「自分の意思というより、流れでしたね」

自分で強く選んだというより、
状況の中で選択してきた人生だったといいます。

お父さんの仕事を手伝うところから始まった

地元に戻って最初に関わったのは、椎茸の栽培でした。

もともとはお父さんの仕事で、
その手伝いとして関わり始めたといいます。

しかし、それだけで生活していくのは難しく、
次に選んだのが電気工事の仕事でした。

技術を活かして働いた30年

電気工事の資格を活かし、
電気設備に関わる仕事に就きます。

その後、電子部品や半導体などをつくるための装置に関わる会社で働くことになり、
装置の検査や組み立てなどの仕事に約30年間携わりました。

中国や韓国、台湾など海外に行くこともあり、
さまざまな現場で経験を積んできたといいます。

「いろんなところに行きましたね」

一つの道を決めて進んできたというより、
仕事を通して経験を重ねてきた時間でした。

58歳、自分で選んだ道

58歳のとき、会社を離れます。

このまま同じ仕事を続けることもできた中で、
「全く違うことをしたい」と思ったといいます。

「ここでやらなかったら、もうやらないだろうなと思って」

そうして選んだのが、造園でした。

「怖いというより、ワクワクでしたね」といいます。

思うようにいかない時期もあった

新しい仕事を始めてすぐは、
思うように仕事が増えるわけではありませんでした。

「最初は、なかなか仕事が来ないんですよ」

それでも、これまでと同じように、
目の前のことに一つずつ取り組んでいきました。

「今できることは何でもやる」

草払い、雨どいの掃除、蜂の駆除。

頼まれたことは断らず、できることはすべて引き受ける。

「今できることは何でもやりましたね

そうしていくうちに、

「一人のお客さんが、また別の人を紹介してくれて」

少しずつ仕事が広がっていきました。

振り返って見えたこと

これまでの人生について、立山さんはこう話します。

「人生って、全部つながっているんだなと思いますね」

椎茸の手伝い、電気工事、会社員としての経験、そして今の仕事。
一つひとつは違うように見えても、すべてが今につながっているといいます。

「もう」ではなく「やっと」

「もう70歳じゃなくて、“やっと70歳”なんですよ」

立山さんは、そう言って笑いました。

もう70歳」と言うと、どこか終わりに近づいたような響きがあります。
でも、「やっと70歳」という言い方には、これまでの時間を前向きに受け止めている感覚がありました。

年齢を重ねることを、遅れや終わりとして見るのではなく、
これまで歩んできた時間そのものを受け止める。

その言葉には、人生の積み重ねを肯定する姿勢が表れていました。

中高生のみなさんへ

「若い人たちの未来は明るいですよ」

今、進路が決まっていなくてもいい。
完璧な答えが出ていなくてもいい。

一つひとつの選択や行動は、
ちゃんとつながっていく。

だから、今の自分なりの選択を、
そこまで怖がらなくてもいいのかもしれません。

鹿児島には、
「なこかい とぼかい なこよかひっとべ」
という言葉があります。

泣くくらいなら、思い切って飛び込んでみろ。そんな意味が込められています。

立山さんの歩んできた人生も、
その言葉をそのまま体現しているように感じました。

インタビューを終えて

今回のインタビューで一番印象に残っているのは、
自分の選んだ道は正解にできるということです。

やりたいことが決まっていたわけではなく、
流れの中で選んできた仕事や経験が、今につながっている。

その姿がとても印象に残りました。

私自身も進路に悩む高校2年生として、
今、完璧な答えが出ていなくても大丈夫なのかもしれないと思える時間になりました。

今ある環境の中で、すべてを自分の思い通りに選ぶことは難しいのかもしれません。
それでも、その時その時に悩みながら選んだ道は、意味のあるものになっていく。

立山さんの話は、
自分の選択に少し自信を持っていいのだと、背中を押してくれるものでした。

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